高い医療費とそれに見合わないアメリカの医療サービス


こんにちは。みらい塾 塾長の馬場です。kay2.png
皆さんは、国民一人当たりが医療費にどのくらい費やしているかご存知ですか?
アメリカの医療制度改革を推進する民間団体The Commonwealth Fund(コモンウェルス・ファンド)は、13の先進工業国の医療制度を比較調査し、先日その結果を発表しました。
それによると、医療関連支出がもっとも少ないのは日本、一方、もっとも多いのはアメリカとの結果が報告されました。

この調査では、Organization for Economic Cooperation and Development(OECD:経済協力開発機構)などによるデータを基に、イギリス・オーストラリア・オランダ・カナダ・スイス・スウェーデン・デンマーク・ドイツ・日本・ニュージーランド・ノルウェー・フランス・アメリカの13の先進工業国における2010年度の医療費をそれぞれ比較した結果、以下のようなランキング(医療関連支出の低い順)になりました。
1)日本
2)オーストラリア
3)ノルウェー
4)イギリス
5)スウェーデン
6)ニュージーランド
7)カナダ、スイス
8)デンマーク
9)ドイツ
10)フランス
11)オランダ
12)アメリカ
アメリカでは209年の一人当たりの医療支出が約8000ドル(約64万円)なのに対し、日本では2878ドル(約23万円)と大きく差があり、国内総生産(GDP)に対する医療支出の割合は、アメリカは17%以上でしたが、日本は8.5%と先進工業国13国中最下位となりました。
日本ではMRI(磁気共鳴画像装置)やCTスキャナー(コンピュータ断層撮影装置)の利用の制限がなく、また政府が割り当てる予算内に医療支出が収まるよう医療費が設定されており、それとは対照に、アメリカでは高額な治療費や医療技術の頻繁な利用、さらには肥満のまん延から医療支出が増加しています。また、その高い支出に見合う医療サービスが提供されていないとも報告書では言及しています。
日本は世界でもまれに見る「高福祉・低税金」の国ですが、国民全員が安心して医療が受けられる体制をぜひ今後も継続していってほしいですね。

Money / 401K 2012

詳細は、以下のサイトより。
www.oecd.org/:OECD公式サイト
 今日のひとり言
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アメリカの病院は、医療にかかった費用を患者から100%回収できるという気持ちはハナからないらしく、最終的に病院側が赤字にならないために「リストプライス」と呼ばれる高く設定された料金をまず患者や保険会社に提示します。
払える人は提示された金額を払い、払えない人はディスカウント価格が適応されたり、Medicade(メディケイド:公的医療制度)を使ったりします。
つまり、「払わない人の分まで払える人が払え」という理論なんです。
また、先日オバマ大統領が推し進めている「Obama Care(医療改革法)」に対し合憲という判断を最高裁が下したことにより、これまで保険に加入できなかった人も強制的に加入させることになります。
そうなれば、今後保険料が値上がりし、高騰し続けている医療費がさらに高くなるかも知れませんね。(-_-;)

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