こんにちは。みらい塾 塾長の馬場です。
諸事情により、幼少期にバイリンガル教育ができなかったご家庭のお子さんが、成長するにつれ、日本の文化や日本語に興味を持つこともよくあります。
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せっかく興味を持ってくれたその機会に、日本語を少しでも習得してくれればと願っている親御さんもいらっしゃることでしょう。
しかし、バイリンガルとして幼児期から続けている「日本語」と、外国語として学習する「日本語」の学習方法は似ているようでもやはり違います。日本語は、外国人にとって習得が難しいと言われている言語のひとつです。しかし、具体的にどういった点が難しいのでしょうか。
今日は、外国語として学習する「日本語」の苦労＆学習ポイントについてお話ししましょう。
１．漢字
日本で暮らしている子ども達にとっても、漢字はかなり厄介な文字です。なにしろ、常用漢字だけでも2100字以上あり、しかも漢字１字に対しての読みが複数ある文字が多数あることから、音訓の読みが4300以上もあると言われています。それに人名漢字や国字、地名などを合わせると軽く８万字を超えてしまいます。
そのため、外国語として学習する日本語の一番のネックは「漢字」と言っても過言ではありません。
ただ、幸いにも、８万字すべてを習得する必要はありません。通常、小学３～４年生までの常用漢字650字ほどの読み書きができれば、芥川龍之介や宮沢賢治などの文学書からマンガや雑誌まで、幅広い分野の本が読めるようになります。と言うのも、多くの本や雑誌では、小学３～４年生以降の漢字にはフリガナがふっているからです。
２．直訳できない
日本語には直訳できない表現や曖昧なニュアンスを含む言葉が多く存在します。例えば、「いただきます」や「ごちそうさま」、「よろしくお願いします」や「お疲れ様でした」などの日本人が日常よく使うフレーズを英語に直訳すると「？？？」になってしまいます。
また、個性や性格、感情などで多様に変化する日本語の語尾のニュアンスを掴むのは、上級者と言えども困難です。例えば、「楽しい」を使う場合でも、「楽しいね！」「楽しいけど…」「楽しいかな？」などバリエーションがあり、それぞれ別のニュアンスがあります。また、あとに続く文もそれによって大きく変わっていきます。しかも、それらすべてが辞書や教科書に載っているわけではないので区別するのも大変ですね。
こうした言葉は机上で用法を勉強するというよりは、日本の文化や習慣もいっしょに理解をしながら使えるようにしていきましょう。
３．敬語
敬語は、使う場所や相手との関係で言い方や用法が変わります。複雑な「丁寧語・尊敬語・謙譲語」の使い分けをしなくてはいけないので、日本人でも正確に使いこなすのは難しいです。すべての敬語を覚える必要はありませんが、社会人として将来日本語を使う場合に備えて、丁寧語だけでも覚えておきたいですよね。
４．和製語と省略語
日本語の中には、日本で作られた外国語風の言葉や省略語が多数あります。さらに、和製語のうちの一部は、オリジナルの意味として使われていない場合もあります。そのことが日本語学習者に混乱を招きます。
日本語の「ナイーブ（繊細な人）」と英語の「Naive（騙されやすい人）」が違うというのは有名ですよね。他にも、「コンセント（壁のプラグ）」と「Consent（承諾・同意）」、「クレーム（苦情）」と「Claim（主張・要求）」など、まったく意味が違うものや若干意味が異なるものなどあります。
日本語としてオリジナルの意味とは違うと思いながら覚えたほうが良いでしょう。
５．数詞
日本語では、鳥は１羽、象は１頭、犬は１匹…など、ものの数え方が数えるものによって変わります。これらは幼児のころから生活の中で自然と覚えていくものなので、中高生になってから日本語の学習を始めた子にはかなり大変です。すべてを「１こ・１つ」と数える子もいますが、主なものだけでも良いので、正しい数詞をつけて数えられるようにしておくと日本語レベルが格段にアップします。
他にも、助詞（は、が、と、で、に）や助動詞（れる、られる）の複雑さや、主語の多様な言い方（私、僕、俺、わし、吾輩…）、文法の曖昧さなど、外国語としての日本語の習得はなかなか難しいものです。
興味を持ったときに日本語を習い始めるのも良いですが、幼児期からバイリンガル教育が可能な環境にいるご家庭は、積極的に日本語を教えてあげるようにした方が良いでしょう。
みらい塾では、中高生向けの外国語としての「日本語入門コース」もご用意しています。３～４人の少人数制のクラス編成ですので、日本語レベルと目的に合わせて学習できます。
ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
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