こんにちは、みらい塾の馬場です。nigaoemaker1118_thumb

さて、子どもが書いた作文に、先生から添削が返ってきたとき、「ちゃんと見たよ」とひと言言って、そのままテーブルの上に置きっぱなし。

気づいたら次の週になっていた……そんな経験、皆さんは、ありませんか?

日本在住の子ども達でさえ、作文の書き直しは後回しにしがちです。

まして、学校では英語で過ごし
日本語を使う時間が限られている海外育ちの子ども達にとって
添削後の書き直しは、さらにハードルが高く感じられるかもしれません。

でも実は、この「書き直し」のステップこそが
海外育ちの子ども達の日本語力を大きく伸ばすカギなんです!


海外在住だからこそ「書く練習」の質が問われる

アメリカで育つ子ども達の日本語を学ぶ環境は
日本在住の子ども達とは根本的に異なります。

定期的に、みらい塾のようなオンライン日本語教室や
補習校に通っている場合でも、日本語の授業は週に数時間ほどです。
日常会話は英語、学校も英語——という環境の中で
日本語の「書く力」を育てるには
限られた学習時間の中での質の高い練習が欠かせません。

ちなみに、前回のブログ「会話力を伸ばすにも書く力が必要」でも
書く力の大切さをお話ししていますので、ぜひご一読ください。


そうした状況において
せっかく添削してもらった作文をそのまま放置してしまうことは
非常に大きな機会損失です。

バイリンガル教育の研究においても
ヘリテージランゲージ(家庭内言語・継承語)の習得には
インプットだけでなく、書く・修正する・再び書くという
アウトプットの反復が特に重要
とされています。


つまり、添削済みの作文は
子ども一人ひとりに合わせたオーダーメイドの学習教材であり
そこには今の克服すべき課題がぎっしりと詰まっていると言えます。

聞いたり読んだりするだけでは身につきにくい「書く力」を
書き直しの積み重ねによって育てていきましょう!


「書き直し」は、日本語の”素振り”である

書き直しの大切さを子ども達に説明するときには
好きなスポーツや楽器などをイメージさせてあげましょう。

例えば、野球だとすると
コーチから「スイングのフォームが崩れている」と指摘されたのに
それを改善をしなければ、打率をあげることは到底できないでしょう。
しかし、指摘されたポイントを意識しながら
何度も素振りの練習をすることで、体が正しい動作を覚え
試合にも活かせるようになります。

作文の書き直しも、まったく同じです。
書き直しをしないで、書く力が向上することはありません。

では、海外育ちならではの作文の間違いの傾向を見ていきましょう。


① 英語直訳による不自然な表現

英語のほうが強い子は
英語の語順や表現をそのまま日本語に置き換えてしまいがちです。

例えば

・「彼は私に言いました、~(He told me that~)」のような英語的な構造
・「Field tripは楽しかった」のような英語まじりの表現
・「道で落ちてしまった(I fell on the street. )」のような直訳表現

主語を常に使ったり、直訳したり
英語をそのまま日本語に持ち込んだカタカナ表記を多用したりすると
読みづらい文章になってしまいます。


② 動詞・助詞の誤用

日本語には英語とは異なる(または存在しない)表現もあります。

例えば、

・「は・が・を」などの助詞
・「3匹、2人、8番目」などの数詞
・「帽子をかぶる」「くつを履く」などの動詞の使い分け

助詞の選択ミスや、数詞や動詞の不一致によって
意味を誤解されたり、不自然で幼い印象になったりしてしまいます。


③ 漢字・送りがなの不安定さ

日常生活で漢字を目にする機会が少ないため
習った漢字の定着が不安定になりがちです。

・「食べる」を「食る」と書く送りがなの間違い
・「足りる」を「あしりる」と複数の読み方を覚えていない誤読
・習った漢字をひらがなで書く漢字の未使用

こうした誤りは、漢字を習った程度では定着しません。
何度も読み書きの練習をして
正しい日本語の表記や漢字積み上げるしかありません。

アメリカで育つ子ども達にとって
日本語で書く作文は「がんばっている特別なこと」です。

「書き直し」を義務感ではなく、成長の手ごたえとして感じられる
声かけをしながら、ムリなく取り組ませてあげましょう!

ステップ1:添削箇所をいっしょに確認する 

返ってきた作文の赤入れ部分は
子ども達と一か所ずついっしょに確認しましょう!

「どこを直すのか」を親子で共有しながら
子どもに書き直しの工程を示し、安心感を持たせてあげましょう。

・英語の言い方とはちょっと違って面白いね!
・この漢字、書けそうじゃない?
・日本語ではこう言うんだね~

ステップ1は親が主導しながら、添削のポイントを説明します。
「こっちのほうが良さそうじゃない?」という感覚で伝えてあげると
バイリンガルならではの視点として前向きに受け取れます。



ステップ2:添削されたところを声に出して読む 

文章のおかしなところを浮き彫りにするために
まずは、添削された部分を声に出して読んでみましょう!

・英語の語順で書いてしまった文
・主語と述語のズレ
・説明不足で飛躍しているところ

こうした間違いは黙読では気づきにくいものです。
音の違和感を感じさせ、日本語の語感を取り戻させてあげます。

子どもが読みながら止まったり、言い換えたくなったりした場所が
まさに修正ポイントですよ。


ステップ3:全文を新しい紙に書き直す 

書き直し作業は「間違えた部分だけを直す」のではなく
作文の全文を最初から書き直すことが大切です。

間違えた一部だけを直すことに慣れると
前後の文の流れや文章全体の構成を意識しなくなったり
作文につぎはぎ感が出たりしてしまいます。

また、先生の添削や親の言葉をそのまま当てはめてしまうと
「自分の作文」ではなくなってしまいます。

・部分修正は、正しい日本語に近づける作業
・全文書き直しは、伝わる日本語を作る作業

なお、句読点やかぎカッコの正しい使い方も練習できるよう
書き直すときもマス目のノートや印刷した原稿用紙を使うのがおススメです。



ステップ4:書き直しが終ったら声に出して読み直す 

書き終えた作文を声に出して読み直すように促しましょう。

海外育ちの子は日本語の文章を「音」で処理する経験が圧倒的に少なく
黙読だと脳が勝手に補正してしまうので
声に出して、直した文章が自然な日本語かの最終チェックをしましょう。

・文章や話の流れがスムーズか
・自然な息継ぎで読めるか
・読み手にきちんと伝わるか
・漢字を正しく読めるか

最初の作文と見比べ、良くなっていることを実感させてあげると
次への自信につながりますよ。


作文は、ただ書くだけでは書く力が伸びません。
書き終わりの読み直し添削後の書き直しを両方することで
書くごとに伸びることができます。

自己流のまま書き続けている子どもと
添削を受けてその内容を丁寧に書き直している子どもとでは
半年後・一年後の日本語での作文力・書く力に明らかな差が生まれます。

週に数時間しか日本語に触れられない環境だからこそ
一回一回の学習の「後処理」の質が積み重なっていきます。

書き直しは地味な作業ですが、この地味な繰り返しこそが
英語環境の中でも揺るがない日本語力の土台になります!


みらい塾では海外在住のご家庭向けに
オンラインで作文の指導・添削を行っています。

「子どもが一人ではなかなか続けられない」
「どう声をかければいいかわからない」
「親子で行き詰っている」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

子ども達の日本語の「書く力」をいっしょに育てていきましょう!

みらい塾は読み書きで日本語力を育てます!


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