皆さんは、お子さんとどのように夏を過ごされましたか?
この時期、「夏休みの間に日本語の勉強からすっかり離れてしまった…」「現地校が始まると日本語学習がストップしそう…」「どうやってスケジュールを立て直せばいいのかな?」などの悩みを抱えている保護者の方も多いです。

長かった夏休み中に学習姿勢が崩れたり、怠け癖がついてしまったりすると
日本語クラスが再開したときに子どもたちが苦労することになります。
そこで今回は、夏休み明けのクラス再開に向けて
今ご家庭で準備しておくべきことを分かりやすくお話ししましょう!
夏休み明けに注意したい落とし穴
夏休み中は学校がある日に比べて自由な時間が多く
親子ともに自分のペースで過ごすことに慣れてしまっています。
まずは、子どもたちが直面しやすい課題を確認しておきましょう。
① 集中力やストレス耐性の低下
夏休み中は、周りを気にせず自分のペースで物事を進められます。
提出する宿題もないので
決められた時間内に課題や作業を終わらせる必要もありません。
そのため、いざ日本語クラスが始まったときに
「授業50分間の集中」が大きな負担になったり
「時間制限」に焦りやストレスを感じてしまう子も少なくありません。
② 文字を読む力の低下
夏休み中は、つい親も甘くなってしまい
子ども達のゲームやYouTube、アプリなどに費やす時間が増えがちです。
こうした媒体は、映像や音声などの大量の視覚情報により
頭で深く考えなくても理解できてしまいます。
それに慣れてしまうと
文字だけの本や教科書、問題プリントなどに対して
強い拒否感を示すようになってしまいます。
9月に慌てないための家庭での準備
それでは、9月からの日本語学習をスムーズに迎えるために
準備をしておきましょう!
① 「一定量の学習」を維持する 
学校では「50分程度の授業」を1日に5~7コマほど確保できていました。
ですが、夏休み中にこのスケジュールをきちんと維持できているご家庭は
ほとんどないのではないでしょうか。
まずは学校が始まる前に
「決まったスケジュールで一定量の学習をする」習慣を取り戻しましょう!
- 毎日同じ時間帯に机に向かう
「朝食後の9時からは勉強時間」として、毎日決まった時間にスタートするリズムを作ります。現地校が始まる前に、早寝早起きのリズムをしっかり取り戻しておきましょう。
- 「50分学習+10分休憩」で1セットとする
現地校の時間割と同じタイマーをセットし、集中と休憩のメリハリを体感させます。低学年の場合は、「25分集中して5分休む」を2回繰り返すなど、子どもの年齢に合わせて柔軟に調整しましょう。
- 取り組む教材の量をあらかじめ決めておく
「今日はプリント2枚と読書20ページ」など、やるべき一定量を具体的に明確にしておきます。ダラダラと長引かせず、「タイマーが鳴ったらピッタリやめる」ことで、時間内に終わらせるメリハリをつけましょう。
「夏休み気分」から脱出し、規則正しいスケジュールで学習できるよう
ぜひ今から親子で話し合ってみてくださいね。
② 「競争」でスピード感を養う 
自宅にいる時間が長くなると
子どもたちは自分の中のペースで物事を進めることに慣れていきます。
しかし学校では、決まった時間内に終わらせたり
周りを意識して急いだりすることなどが求められます。
そこでおすすめしたいのが、「競争する(速さを競う)」ことです!
- 100問計算や漢字ドリルでタイムアタックをする
「昨日より何秒早くできるかな?」と、ゲーム感覚で正確さに加え、スピードを意識させます。ストップウォッチや視覚的に分かる時計を目の前に置いてあげるなどで軽度のプレッシャーをかけましょう。
- 日常の動作で家族とスピード対決をする
おもちゃの片付けや身支度など、親や兄弟姉妹と一緒に競い合わせてみましょう。ただ急がせるのではなく「よーいドン!」と楽しく取り入れることがポイントです。
- 競争相手がいない時は「カウントダウン」を活用する
「10数えるうちに〇〇ができるかな? 10……9……8……」と声をかけるだけでも、自然と急ぐ気持ちが芽生えます。好きな曲(アニメのテーマソング等)があれば、それが終わる前に作業を終わらせる…などもおススメです。
家族みんなを巻き込んでワイワイ楽しむことで
「時間内で素早く行動する感覚」を無理なく取り戻すことができますよ!
③ 「文字だけ」の練習をする 
動画やイラスト満載のコンテンツは手軽で楽しいものですが
脳をフル活用して深く考える機会は激減しています。
授業にしっかりついていくために
「文字から物事を理解する」意識を今から高めていきましょう!
- イラストの少ない「文字だけの本」を読書する
挿絵に頼らず、文字から場面や登場人物の気持ちを想像する練習をさせます。日本語がまだ苦手な子であれば、マンガでもOKです。ただし、絵だけを見て読み進めていないかの確認として、読み終わったら、「どんなセリフが好きだった?」などを尋ねるといいですよ。
- 文字ばかりの板書ノートや教科書を振り返る
前学期の板書ノートや教科書を開き、文章を読んでこれまでの学習内容を復習しながら、文字で理解する感覚を思い出させましょう。図表が少なく文字での説明文が多い理科や社会の教科書を音読させるのもおススメです。
- 「視写」を取り入れて「手書きの感覚」を取り戻す
手本の文章を正確に手書きで書き写すことで、文脈や「てにをは(助詞)」の繋がりを自然と体得させましょう。特に、授業でノートを取る際、手が疲れたり、字が雑になったりしないよう、指先の感覚を慣らしておくのが大切です。
文字だけの文章に触れる時間を増やすことで
読解力と思考力の土台がしっかりと再構築されますよ!

家庭学習を支える親の言動
家庭では、以下の点を意識して、温かく見守ってあげましょう。
① 焦らず、できたことを認めてあげる
休み明けすぐに100点満点の学習ペースを求める必要はありません。「今日も決まった時間に机に向かえたね」「タイムが少し縮まったね」と小さな前進をきちんと褒めてあげましょう。
② 間違いを責めず、一緒に楽しむ
競争やタイムアタックで失敗しても、決して叱らないことが大切です。「惜しかったね!次はどうすれば早くできるかな?」と問いかけ、前向きに挑戦する気持ちをサポートしましょう。
③ 親子で楽しく会話しながら振り返る
「この漢字、どんな意味だったか覚えている?」など、クイズ形式で楽しく過去の復習をしてみるのも効果的です。親子のコミュニケーションを通して、日本語への親しみを取り戻させてあげてください。
前向きな気持ちで新しい一歩を踏み出そう!
新学期のスタートは、子どもが大きく成長するための絶好のチャンスです。
9月に日本語クラスが再開したとき
「これまで勉強したことをすっかり忘れてしまった…」
なんてことがないよう、準備を進めておきましょう。
完璧じゃなくて大丈夫。今日できる一歩だけで十分です。
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