皆さんのお子さんは数学がお好きですか?
アジア系のお子さんは概ね算数が得意な場合が多いようですが、時折、「計算をする・問題を解く」ことを数学だと勘違いされている方もいらっしゃるようです。
四則計算、方程式、因数分解などの数式を解くことはもちろん大切なことですが、それは数学を学ぶ上での単なる道具に過ぎません。数学とは本来「物事を整理する学問」です。
自然界や私たちの生活の中で起こるさまざまな現象も、数学者や科学者によると単純な数式や数字で説明することができるといいます。つまり、学校で数学を学習するということは、物事を整理する習慣付けのための訓練だと言っても過言ではありません。
では、今日はそうした日々の訓練を楽しむのにピッタリの新しい施設をご紹介しましょう。
現存するニューヨークのビルの中でもっとも古い歴史を持つFlatiron Building(フラットアイアン・ビル)付近に位置するMadison Square Park(マディソン・スクエア・パーク)の北側に、当初の予定より若干遅れはしましたが、昨年12月15日に、「National Museum of Mathematics(数学ミュージアム:通称、MoMath)」が北米初となる数学専用の体験型博物館としてオープンしました。
もともと、マンハッタンの東側に位置するLong Island(ロング・アイランド)のGoudreau Museum of Mathematics(グドロー数学博物館)の閉館を受け、新たな数学博物館の設立計画が立てられており、その調査の一環として始められたのが、現在でも全米で巡回を続けている野外体験型移動ミュージアム「Math Midway(マス・ミッドウェイ)」です。2009年から始まったこのマス・ミッドウェイによる成功と高評価を受け、ニューヨークでの数学ミュージアムの設立が実現することとなりました。
数学嫌いのお子さんでも抵抗なく入れる彩り豊かなミュージアムの入口を通ると、館内には、数の不思議に焦点を当てた教育プログラムや体験学習型アトラクションを始めとするアクティビティーが多数あり、遊びを通して数学の楽しさや面白さを伝える展示物や遊具が40点以上設置されています。
子ども達はもちろんのこと、大人でさえ日常生活の中にある数学の新しい魅力に気付かせてくれる場としてニューヨークでは人気急上昇中です。
アメリカ国内での数学者不足と子ども達の近年の数学離れを食い止められるかも知れないこの注目のミュージアムに、皆さんもぜひ足をお運びください。
【施設詳細】
National Museum of Mathematics(MoMath)
11 E 26th St., New York, NY 10010
午前10時~午後5時
入場料:大人15ドル、12歳までの子ども9ドル、2歳以下無料
212-542-0566
公式ウェブサイト
因数分解などの数式を解くことだけを教えられている受験教科としての数学は、正直、日常生活にはまったく必要ないとも言えますが、科学や数学は本来、私たちの生活と密接に繋がっている分野です。だからこそ、子ども達には興味を持ちながら数学を習得してほしいですよね。(^_-)-☆
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