お子さんが学校で何を食べているかご存知ですか?


こんにちは。みらい塾 塾長の馬場です。twogoods3

皆さんのお子さんは、給食派ですか、それともお弁当派ですか?


school lunch menu images 1 / healthy lunch ideas

日本では栄養のバランスが取れた素晴らしい給食が毎日児童に支給されますが、残念ながら、アメリカではそんな立派な(?)スクールランチは存在しません。

今日は、アメリカ全土と言うと語弊があるので、ニューヨーク市内の公立小中学校の給食にスポット当ててお話してみましょう。

 

 

アメリカのSchool Meal(スクールミール:学校給食)が本格的に機能し始めたのは1935年からで、当時の大統領Franklin Roosevelt(フランクリン・ルーズベルト)が大恐慌対策の一環として設立したWork Projects Administration(WPA:公共事業促進局)の一部であったCommunity Service Division(地域サービス課)のSchool Lunch Program(学校給食プログラム)により、連邦政府が余剰農作物を購入し、各学校へ直接配分する法律が制定され、学校が低コストの食材を安定して受給できるようになりました。

しかし、これは余剰農産物を処理する農業政策のひとつであったため、1946年のNational School Lunch Act(学校給食法)の制定により、子どもの健康と福祉の保護の観点から現在の給食システムが構築されました。

まず、日米の給食システムでよく似ている点は貧困家庭に対する対策でしょう。

日本では生活保護世帯の児童の給食費は無料であり、生活保護の対象ではないものの経済的な理由から支払いが難しい家庭の児童は、各地方公共団体の給食援助などが受けられます。

同様にアメリカでも、Food Stamps(フードスタンプ:低所得者向けの食料費補助対策)を受給している家庭の児童は給食費が免除されたり、世帯主の収入額によっては給食費が減額されたりします。給食費は、各州や学校により若干違いはありますが、概ね1日1.75~2.75ドルほどです。


20120907-FNS-LSC-0546 / USDAgov

朝食の支給

日本の給食と比較したときもっとも大きな違いは、「朝食の支給」でしょう。アメリカの多くの州の小中学校ではランチだけでなく、朝食も学校給食として無料または低料金で提供されます。

1時限目の授業が始まる1時間ほど前に学校に行けば、児童であれば誰でも特に予約などなしに朝食が提供されます。ニューヨーク市の小中学校では、こうした朝食の提供は通常無料で行われています。

 

選択の自由

アメリカでは学校給食でも選択の自由がかなり認められています。

ランチに給食を食べる生徒もいれば、自宅から持参したお弁当を食べる生徒もいますし、牛乳を飲まなかったり、嫌いなものを残しても注意されることはありません。

教師は児童とは離れたところで食事をする場合が多く、学校給食を教育の一環と考えている日本とは大きく異なります。

バイキング形式

日本の給食は決まったメニューを全児童が一緒に食べますが、アメリカでは好きなメニューを選ぶバイキングの形式を導入している学校が多いです。

ニューヨーク市内の公立小中学校でもバイキングです。

まず、牛乳は最低2種類(低脂肪牛乳・チョコレート牛乳)から選べ、多い学校では脂肪分の違う4種類(前述の2種類+全乳・無脂肪牛乳)から選べます。また、オレンジジュースやアップルジュースが選べる学校もあります。

続いて、主食となる肉・魚のメニューから、ハンバーガー、チーズバーガー、チキンナゲット、チキンフィンガー、チキンブレス、ピザ(トッピングはチーズのみ)、モッツァレラスティック、フィッシュフィンガー、ラビオリ、マカロニチーズ、タコス、チーズサンド、ハムサンド、ターキーサンド、ライス、イエローライスなど、ランチというか軽食のようないわゆる脂肪分が多いジャンクフードの大行列の中から選びます。

そして、野菜・果物のメニューは、フレンチフライ、マッシュポテト、生セロリ、生ニンジン、ミックスベジタブル、バナナ、りんご、ピーチ(缶詰)、パイナップル(缶詰)、アップルソースなどの中から選べます。

他にも、校内にはチップスやクッキーなどのスナック類や甘味ジュースが別料金で販売されています。

しかも、何を食べるかは子どもに委ねられているので、フルーツだけ取る子や牛乳を飲まない子などもいるため、学校給食としての栄養バランスはかなり悪いと言えます。

しかし、実はこれらのメニューは、ここ2~3年のMichelle Obama(ミシェル・オバマ)大統領夫人の貢献により、随分良くなったと言われています。


20111019-FNS-RBN-1767 / USDAgov

では、世界20カ国の給食を写真付きで一挙大公開しているBuzz Feedのウェブサイトをご紹介して締めさせていただきます。それぞれの国の特徴が出て、大変興味深いですよ。

 

 

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アメリカの児童の3人に一人が肥満であると言われていますが、この学校給食のメニューを見れば一目瞭然ですよね。なにも日本並みのレベルを望んでいるわけではありませんが、もう少しマシな食事を提供してくれることを願わずにはおれません。

まだまだアメリカの給食システムには問題点が山積みなので、子どもの健康のためにも今後さらに良い方向へ進んでいってもらいたいものです。(^_^)

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