今さら聞けない「オバマケア」を徹底分析!


こんにちは。みらい塾 塾長の馬場です。kay2

最近はウェブサイトの不手際だけが注目を浴びている「ObamaCare(オバマケア)」ですが、アメリカにお住いの皆さんは、きちんと内容をご存知ですか?

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from Reuters, 2013

オバマケアとは、オバマ政権が2010年から推進している医療保険制度改革の通称で、正確には「The Patient Protection and Affordable Care Act(PPACA)」で、一般には「Affordable Care Act(ACA)」と呼ばれています。

 

 

今日は、2014年1月の執行を目前に控え、アメリカに住む日本人にも影響があるであろうオバマケアについてお話しましょう。

オバマケアとは?

現在、アメリカにある公的医療保険制度は、65歳以上の高齢者や障害者向けのMedicare(メディケア)と低所得者向けのMedicaid(メディケイド)しかなく、日本のような国民皆保険制度は採用していません。

そのため、通常は民間の医療保険に個人または雇用ベースで加入しなくてはなりません。しかし、医療費の高いアメリカでは、健康保険を個人で加入するとなると保険料が非常に高額になります。そのため、保険に加入していない無保険者が、アメリカ国民の6人に1人に当たる約5000万人もいると言われています。そこで、オバマ政権は医療保険制度改革を最重要課題と位置づけ、2010年3月に法律を成立させたのが「オバマケア」です。

オバマケアは、連邦政府が基準を定めた民間の保険会社が提供する保険プランに加入することを義務付けており、対象となるのは、アメリカ市民および合法的にアメリカ滞在し就労しているすべての外国人(グリーンカード保持者、労働ビザ保持者を含む)です。

※不法滞在者や学生ビザ(F-1ビザ)で滞在している学生はアメリカでの就労許可がないので対象とはなりません。ただし、就労できるOPT(オプショナル・プラクティカル・トレーニング)に参加しているF-1ビザ保有者は、念のため、専門機関に相談することをお勧めします。

オバマケアのメリット

オバマケアの執行により、持病を抱えているためにこれまで保険に加入できなかった、または、過去に大病を患ったなどのPre-Existing Conditions(既往症)の人に対しても、今後、保険会社は加入に際し拒否ができなくなります。さらに、Essential Health Benefits(基本的医療給付)により、薬の処方や妊産婦・新生児医療の義務付けなどを含めた規定があらゆる医療保険プランに適用されることになるほか、人間ドックや避妊なども追加料金なしで利用できるようになります。

また、女性の保険料が男性より高くなってはならない、高齢者の支払額が若年者の3倍を超えてはならない、収入のない子どもは26歳まで親の保険に扶養家族として入ることができる ―――なども規定の対象となります。

オバマケアのデメリット

2014年1月の執行に伴い、現在加入している医療保険プランがオバマケアの基準に沿っていない場合は無効になる可能性があります。

その場合はもちろん、州または連邦で運営される健康保険のオンラインショップである「Health Insurance Exchange(医療保険取引所)」でこれまでより補償範囲の広い保険に加入することができます。ただ、補償範囲が広がることにより、保険料がこれまでよりも上がる恐れもあります。保険を新しく購入する場合は、医療保険取引所で複数の保険プランを見比べてから加入するようにしましょう。

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申し込み期限

2014年1月1日から保険を適用させたい場合は、12月23日(月)までに申し込む必要があります。

また、2014年3月31日(月)までに保険へ加入していない違反者には、罰金が課せられます。初年度である2014年は大人ひとりにつき95ドル、子どもひとりにつき47.50ドル(家族で最高285ドル)、または世帯所得の1%のいずれか金額の多い方を支払はなくてはなりません。しかも、これらの罰金額は、2015年および2016年と段階的に引き上げられ、最終的には大人ひとり695ドル、子どもひとりにつき347.50ドル(家族で最高2,085ドル)、または世帯所得の2.5%のいずれか金額の多い方になります。

罰金が科せられた場合、IRS(Internal Revenue Service:アメリカ国税庁)からの税金還付から差し引かれることになります。税金還付がない場合は、金利分が毎年上乗せされた罰金が加算されます。

申し込みに必要な情報・書類

法的に記載されている氏名
Social Security Number(SSN:社会保障番号)
家族全員の生年月日
税金申告のステータス(個別申告・夫婦合算・扶養家族の人数など)
現在の雇用先の名前と住所
収入の証明(2012年確定申告、給与明細、W2フォームなど)
これまでの保険の情報
合法的に滞在している証明(グリーンカード、労働許可証など) ―――その他。

オバマケアに関するサポート体制

保険への加入申し込み、または、さらに詳しくオバマケアに関しての情報がほしいときは、以下の4つの方法で専門機関に問い合わせができます。

①郵送 申請書
②オンライン(英語のみ)healthcare.gov
③24時間電話ホットライン(日本語通訳あり)800-318-2596
④ナビゲーター@地域コミュニティ

また、日本語福祉サービスを提供している非営利団体「Japanese American Social Services, Inc.(JASSI:日米ソーシャルサービス)」が、「Japanese American Association of New York, Inc.(ニューヨーク日系人会)」と共催し、12月7日(土)にニューヨークでオバマケアに関する無料セミナーを開催します。講演は英語で行われますが、日本語の通訳がつきます。

【講演情報】
JASSI無料セミナー「オバマケア&医療保険マーケットプレイス」
12/7/13 10:00~11:30
100 Gold St., Lower Level, New York(bet Frankfort/Spruce Sts)

347-482-1541
公式サイト

 

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たとえ雇用ベースの保険に入っていても、更新時期になると、補償範囲や保険料の変更、オプションの追加など、たくさんの書類に目を通さなければならないのが毎年億劫です。今年はそれに加え、オバマケアとの比較・調整もあり、より大変そうです。(+_+)

 

 

 

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