こんにちは。みらい塾の馬場です。
前回の記事「生活日本語力の習得の仕方」で、海外でも日本語環境に置いてあげれば
子どもは特に意識することなく自然と日本語での会話力を習得することができるとお話ししました。
ただし、
どのくらいの頻度で
どんな話題について
どのような語彙を使って
親子で会話しているかによって、
お子さんの日本語力には違いがでますので、
できるだけ多くの豊かな語彙を使った会話を心がけましょう!
では今回は、
次のステップ「学習日本語力の身につけ方」について考えていきましょう。
まず、学習日本語力(読み書き力)の基本は
●読解力(読み取る力)
●要約力(まとめる力)
読解力や要約力は、
なにも国語だけに必要な力ではありません。
算数の線分図
社会のグラフ
理科の図表
これら国語以外の科目でも読み解く力は求められます。
つまり、
文章を読み、正しく理解できる力
書いてあることに対し、熟考できる力
読んだことに対し、自分の意見を論じられる力
これらの総合が読解力であると言えます。
●読解力をきたえる
読解力をきたえるためには、
生活日本語力でもお話した読書がもっとも効果的です。
ただし、
何冊読もうとも、
ただ字面を読んでいるだけでは読解力はきたえられません。
では、具体的にどのように読書を進めればよいかを考えてみましょう。
(1)音読
小学生の宿題の定番でもある音読は、
一語一句を意識しながら読むことができるだけでなく、
自分の声を耳から聴くことで脳が活性化される効果があります。
さらに、
読み飛ばしの悪い癖を矯正してくれます。
さっと読むことに慣れてしまっている子の多くは、
一部の単語だけを拾いながら読んでいます。
もちろん、重要なワードを適切に拾い読みする速読ができているのなら問題はありません。
しかし、
読み終わった後に内容がきちんと理解できない読解力の低い子は
不適切な飛ばし読みをしてしまっているケースがほとんどです。
しかも、脳内で勝手に話を作り上げてしまいます。
そのため、大まかな話の筋は理解しているようなのに、
読解問題などで細かな内容を問われると正しく答えられません。
このような飛ばし読みが癖になっていると
文章の意味を正しく理解することはできないので、まずは音読から始めましょう!
(2)線を引く
線を引きながら読むことは読書感想文を書くときにも有効ですが、
ここは大切だ
この場面は面白い
このエピソードは共感できる
このような心が動いた箇所に線を引いたり、
付箋を付けたりすると、あとで振り返りやすくなります。
何が重要なのか
著者は何を伝えたいのか
これら2点を特に意識しながら読み進めていきましょう。
●要約力をきたえる
(1)新聞を読む
長文の物語や説明文を要約するためには、
言葉の意味や著者の主張を正しく理解することが大切です。
しかし、それだけでは要約することはできません。
要約するためには、
言葉を置き換える力が必要不可欠です。
そこで、おススメしたいのは新聞です。
このインターネット全盛期に、いまさら~と思う方もいるでしょうが、
情報量の多すぎるインターネットではニュースを自分で厳選しなくてはならず、
読解力が十分でない子にとっては、時間をムダに浪費してしまいます。
見出しだけでも大まかな内容が一目で把握できる
紙の新聞の最大のメリットである一覧性は見過ごせません。
さらに、
自分で内容を決めてしまうと自分の考えに近いものばかりにフォーカスが当たり、
関心がない分野やニュースについては流してしまいます。
これでは語彙や知識に偏りが生じてしまいます。
もちろん、子どもに大人の新聞を与えるのは難易度が高すぎますので、
小学生用の新聞がおススメです。
読売新聞の「読売KODOMO新聞」
毎日新聞の「毎日小学生新聞」
朝日学生新聞社の「朝日小学生新聞」
各新聞社には個性があり、記事の傾向もさまざまですので、
お子さんの好みに合った新聞を選んであげましょう!
(2)記事をまとめる
新聞で読んだ記事内容を100字程度にまとめてみましょう。
100字は文章としてはかなり短いです。
原稿用紙は1行20字x20行の400字詰めが一般的ですので、
100字はおよそ4行です。
ダラダラと不必要な言葉を並べているとあっと言う間に字数に達してしまいます。
きちんとまとめるためには記事のキーワードを適切に見極める目が試されます。
要約するときは、次の2点に着目し、
文中のキーワードをうまく配置しながらまとめます。
何について述べているのか(話題)
何を伝えたいのか(結論)
どの記事を選んだら良いかに迷ったら、
まずは、社説をまとめることをおススメします。
社説は、1つの記事が1つの主張で構成されているので、
初めてのお子さんにも要約しやすいと思いますよ♪
みらい塾は自信の持てる読み書き力を育てます!