海外で暮らしているお子さんの日本語学習の大きな壁となっているのが、「漢字学習」と言っても過言ではありません。一年でもっとも多くの漢字を習う小学3・4年生は、現地校の授業もいっそう難しくなり始めるのと重なり、日本語学習を諦めてしまう…という海外での日本語学習のターニングポイントの時期でもあります。
今日は、そんなモチベーションが下がりだしたお子さんにおすすめの方法をご紹介します!
kanji dictionaries / torisan3500
そんなときに役立つ塾長おすすめの方法
- 検定試験に向けてターゲットを設定!
- 受験直後の見直し学習でやる気を刺激!
- 合格証書でモチベーションアップ!
●検定試験に向けてターゲットを設定!
人は目標がないと、なかなか重い腰が上がりません。
「もうすぐ寒くなるから、衣替えを早くしないと着る服がないわ!」
「明日、お客さんが来るから部屋を掃除しなくっちゃ!」
「冷蔵庫に食材が何にもないわ!今日の夕食どうしよう!!」などなど、しなくてはいけない目標が定められれば、大抵の人はすぐに行動に現れます。
ですので、お子さんにも「漢字をもっと覚えよう」や「毎日10回練習しよう」などの曖昧な声かけでなく、「なぜ、漢字を勉強するのか?」の答えを明確にするために、分かりやすい目標を定めてあげる必要があります。
その際、あまりに大きく叶いそうにもない目標だとやる気が失せてしまうので、お子さん自身が「もう少し頑張ればできるかも?」というくらいのレベルの目標を設定しましょう。初めて検定を受検されるお子さんであれば、必ず合格できる級をまず受けさせてあげると良いですよ。例えば、小学4年生のお子さんであれば、漢字検定8級(小学3年生程度)よりは、それよりひとつ下の級の9級(小学2年生程度)から始めます。
検定試験は級で細かくレベル分けがされているので、海外で暮らしているお子さんの進捗具合にピッタリ合ったターゲット設定がしやすいですね。
Project 366 #239: 260812 Stay On Target! / comedy_nose
●受験直後の見直し学習でやる気を刺激!
受験をした直後は、お子さんも漢字学習に対してやる気があるときです。
その絶好のチャンスを逃さず、ぜひ、今日受けたばかりの検定試験の問題用紙で、お子さんと一緒に解答の見直してみてください。見直しは早ければ早いほど良いです。子ども自身も自分の解答が正しいのか知りたくて仕方がないので、その欲求を充分に満たしてあげましょう。お子さんが書いた解答が正解のときはたくさん褒めてあげ、不正解のときでも「次はできるよ!」と応援してあげるのを忘れずに。
また、このタイミングでノートに間違えた問題と解答を書き写すよう促すと、いつもは反抗しているお子さんでもスムーズにいくことが多いです。ポイントは、「次にできるようになるために」と付け加えることです!
no more tests 05.30.09 [150] / timlewisnm
●合格証書でモチベーションアップ!
後日郵送されてくる合格証書は、目に見えて学習の成果が分かりお子さんのモチベーションアップに大変役立ちます。
合格証書を受け取ったときは、ぜひ家族みんながいつもいる場所(リビングルームやダイニングルームなど)に額縁に入れて飾ってあげてください。以前、良い点を取ったときは大いに自慢させてあげる方がよいとお話したように、お子さんに存分に自慢させてあげましょう。
CIMG0724 / misawakatsutoshi
また、不合格の場合でも、合否とともに送られてくる分析表を一緒に見ながら頑張って試験を受けたことを褒めてあげましょう。間違っても、合否結果だけで褒めたり叱ったりすることはしないでくださいね。不合格で一番傷ついているのはお子さん自身なんですから。
こうして検定試験を受けるだけで、「試験前の勉強・受験・試験後の見直し」+「次回の検定試験への意欲」などと、目標設定から目標実現に向けての計画を立てやすいので、日本語のモチベーションが下がってきたなと感じたら、検定試験の受検をおススメします。
これで、日本語学習のターニングポイントを乗り切りましょう!
検定試験は、お子さんの身近な目標設定としては最適で、目に見えて学習の成果が分かるのが良いです。ひとつずつ級が上がっていくことで、自分の学力が少しずつ上がっているのだとお子さん自身が実感できます。
今回は漢字検定に絞ってお話しましたが、算数が得意なお子さんであれば数学検定でも良いですね。でも数学検定は英語でも受検できますが、「日本語」で受検しないと日本語のモチベーションアップには繋がりませんので、お間違えなく!
ニューヨークは幸運にも、漢字検定・数学検定・英語検定が受検できるので、せっかくの機会を有効に使いましょう!(^_-)-☆
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