最良の自宅学習方法で日本語力アップを目指せ!


こんにちは。みらい塾の馬場です。nigaoemaker1118_thumb

さて、皆さんは子ども達と、どのように家庭で日本語学習に取り組んでいますか。
海外での日本語習得には家庭学習が中心となるため、自宅でもムリなく継続できる方法を見つけることが必須です。

日本語に日常的に触れることが難しい海外生活において
現地校以外に勉強時間をしっかり確保するのは至難の業ですよね。
 
そこで、すきま時間にすぐに取り組め、しかも効果絶大な勉強方法をご紹介しましょう。
 
 
お子さんの年齢にかかわらず、誰でも取り組める
日本語力にかかわらず、いつからでも取り組める
 
 
それは、視写です。
 
視写とは、詩や物語などの文章をそのまま書き写すことです。
昔から行われている定番の学習方法で、
以前は般若心経などのお経を書き写していたので「写経」と呼ばれていました。
 
書道の「書写」と混同してしまう方もいますが、書写は文字を書き写すことです。
これは整った文字を書くことを目的としているので、
長文をまとめて書き写す視写や写経とは学習の目的やゴールが違います。
 
視写自体は非常にシンプルな学習方法ですが、
昔から行われてきただけあり、学習者にとって多くのメリットがあります。
 
海外で日本語学習に取り組まれるご家庭は、ぜひ視写を取り入れてみてくださいね!

視写がおすすめな理由

(1)文章を正確に読み取る注意力がアップ

視写と同じくらい有効な学習方法としては、音読があります。
日本語のリズムや抑揚などを意識できる音読学習も視写同様おススメです。
 
一方で、一人で音読をしている場合、
 
助詞(てにをは)を読み飛ばしたり、
漢字を読み間違えたり、
句読点や会話文を意識せずに棒読みになったり
しても自分では分かりません。
 
また、読むことが目的となってしまい、文章を理解せずに進めてしまうこともあります。
 
 
しかし、文章を書き写すことで、
あとで書きまちがいや書き損じなどにも自分で気付き、文章もより理解しやすくなります。
 
さらに、書きまちがいをしないようにしようと、
言葉や文字に注意を払いながら書き写そうとする意識も芽生えます。


(2)文章を書き続ける持続力がアップ

視写は長文を最初から最後まで書き写す地道な作業です。
 
単純な作業を継続できない人は、作業中ずっと集中し続けないといけないと思っています。
しかし、どんな人でも1時間絶えず集中することは不可能です。
 
そこで大切なのが、持久と集中のバランスです。
 
たとえば、
 
1時間のテストを受けるには、
まず1時間、机に座って問題に取り組む持久力が必要です。
つぎに、その間の集中状態を適切に配分することで、良いテスト結果を得ることができます。
 
集中する時間を長くし過ぎて、うまく配分できていないと、
肝心なところで注意力が散漫になり、ケアレスミスが増えてしまいかねません。
 
 
つまり、集中力を高めるためには同時に持久力を鍛えることが不可欠です。
途中で飽きたり投げ出したりせず、一定時間、文章を書き続けましょう。


(3)間違いに気付ける発見力がアップ

文章を書き終えただけで視写の学習は終わりではありません。
 
書き終えた文章をきちんと見直し、
書き間違いや書き損じの箇所を自分で見つけようとする姿勢が大切です。
 
促音や拗音などの小さい文字の書き間違い
濁点や半濁点などの点や丸の付け忘れ
漢字や熟語の同音異義語の思い違いなどに注意しましょう。
 
 
自分で間違いを発見する力は、テスト中のケアレスミスの予防にも大いに役立ちます。
 
中学生になったら、見直しをしないことが致命傷となるにもかかわらず、
「見直しをしなさい!」と外部がとやかく言っても習慣化しません。
 
ですので、小さい頃から「見直しって楽しい!」と思わせることが大切ですよ。
 
 
たとえば、
 
間違いを見つけるまでの時間を計るタイムアタック
どちらが多く間違いを見つけられるかを競う間違い探し競争
 
 
見直しにマイナスのイメージを持たせないような工夫をしてあげましょう!


こんなに良い効果が期待される視写学習ですが、
実は大人が思っているほど子どもにとっては容易ではありません。
 
特に、日本語を書くことに慣れていない海外在住の子どもたちにとっては、
ただ書き写すだけの単純作業であっても、かなりの重労働です。
 
視写を家庭で長く続けるために、以下のポイントを意識してみてください。

視写を継続させるためのポイント

(1)学習目的を理解させる

単に文章を漫然と書き写すだけでは効果半減です。
 
文章の構造や表現方法を理解し、主体的に読む力を育むためには、
なぜ「視写」をするのか、目当てを明確に理解させてあげることが重要です。
 
作業が時間つぶしの苦痛にならないためにも
 
 
絵本の中の印象的な会話文
物語の心理描写や情景描写
リズムのよい名詩
語り継がれている名文
  など、子どもの好きな本や文章から始めましょう。


(2)言葉のまとまりで覚えさせる

一文字一文字を書き写すのではなく、言葉や単語のまとまりで覚えて写しましょう。
 
始めは、短い文節や句(言葉が自然に区切られる単位)ごとで覚えることから始めます。
短いかたまりを覚えることに慣れれば、文章の句読点で少し長めに区切ってみましょう。
 
句読点で区切って覚えることで、
文章の流れや意味を途切れさせずに、スムーズに書き進めることができます 。
 
 
言葉のまとまりを瞬時に判別できるようになると、
視写のスピードだけでなく、音読のスピードも自然と上がっていきます。
 
学習の基本となる読み書きを早く正確にできるようになることは、学力向上の第一歩です!


(3)定期的に目標を設定させる

視写に慣れると、単純作業に退屈するようになってしまうこともあります。
飽きを防ぐためにも、定期的に新しい目標(ゴール)を設定してあげます。
 
子どもの日本語力やモチベーションに合わせ、最適な目標を親子で一緒に立てましょう。
 
 
たとえば、
 
10分間でどのくらい視写ができるか
見直しまで全部一人で終わらせられるか
ひらがなを漢字に直して視写できるか

 

 
 
 
 
視写は海外在住の子ども達にとってムリなく・ムダなく続けられる学習のひとつです。
 
しかしながら、
週に一回 、月に一回だけ随時行っても、決して効果は得られません。
1回10~20分程度でも毎日継続することがとても大切です。
 
視写が海外での定番の日本語学習となるといいなと思います。


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