さて、海外で日英バイリンガル教育(海外での日本語習得)をするに当たり、皆さんの家庭で気をつけていることはありますか?
海外での日本語教育の中心は、まぎれもなく家庭での学習です。
週1~2回の補習校や日本語教室での学習や
1回数十分のオンラインでの授業
1日15分程度の家庭学習だけで
日本語ができるようになるほど言語習得は甘くありません。
海外での日本語習得には、家庭環境を整えることが必要不可欠な要素です。
(1)日本語に対する親の態度
家庭での日本語教育において、親の態度や子どもへの接し方は非常に重要です。
日本について積極的に話す
日本に対して興味や関心を持って学ぶ
親自身が日本や日本語に対して肯定的な姿勢を持ち合わせていないと
子どもの日本語へのモチベーションや自信を高めることなどできません!
さらに言うと
親が人前で日本語を話すことを避けたり
日本や日本人を卑下した態度をとっていたりすると
子ども達が日本語を話すことに嫌悪感や抵抗を感じたり
日本を軽視したりするようになるのは明々白々です。
子どもが思春期に入ると
友達の前で日本語を話すことを恥ずかしく感じるときもあるかもしれません。
そんな時期だとしても
親は常に日本や日本語に対して前向きで肯定的な姿勢を示し、
積極的に日本語を話すことの楽しさや日本文化を知ることの価値を伝えてあげましょう!
(2)日本語に触れる機会
冒頭でも述べたように、
海外では家庭での日本語環境が子どもの日本語習得に多大な影響を及ぼします。
日本人が多く住む大都市でない限り
海外では日本人や日本語、日本文化に触れる機会が非常に限られてしまいます。
そのため
日本語でのインプット(知識・体験)やアウトプット(会話)を
家庭内で増やすことは必然です。
例えば、
日本語の絵本やアニメなどを読んだり見たりする
日本関連のニュースや番組を見たり聞いたりする
日本にいる友達や親戚などと定期的に話す …などです。
上記以外にも、
家庭内で日本語に触れることができる方法はさまざま考えられます。
これらの方法をくり返せばくり返すほど
日本語の聞き取り力や読み取り力のレベルがぐんぐん伸びます。
また
耳からの入る日本語の量(情報)が多くなるほど
日本語のアクセントや抑揚を自然に正しく発声できるようになり
微妙なニュアンスの違いまで理解しやすくなります。
もちろん、それだけではなく
日本の文化や伝統を学び
日本での作法や風習にもムリなく触れ合うことができます。
意識して日本語との接触環境を作ってあげましょう!
(3)日本語を楽しむ工夫
海外生活で必須ではない日本語を子どもにわざわざ習得させるためには
家庭での日本語教育を
楽しみながら長く続けることが不可欠です。
5~6歳まではご機嫌で日本語を話していた子でも
小学校・中学校…と学年が上がるにつれ、徐々に日本語での会話が減っていきます。
これは、これまでの「話し言葉(聞く話す)」中心の心を豊かにする学びから
「書き言葉(読み書き)」中心への頭を使って考える学びへ進歩するからです。
この学びの移行がうまくいくか否かが
将来役に立つ日本語を使いこなすバイリンガル
大人になって通用しない日本語を使うバイリンガル
の分かれ道 と言えます。
日本語の読み書き力を伸ばすには
幼少期のときの「しりとり」や「かるた」などの遊びでは伸びず
自分でコツコツ勉強する時間と量を増やす以外方法はありません。
ただ、そんな中にも楽しめる方法は必ずあります!
例えば、
具体的な目標を成し遂げることで得られる達成感
漢字検定や日本語検定などに挑戦することで得られる充実感
日本人のコミュニティーに所属することで得られる充足感
幼少期の楽しみ方とは違った楽しみ方を模索してあげましょう。
海外で日本語を習得するのは容易なことではありません。
また
バイリンガル教育は、親子どちらかが頑張れば良いというものでもありません。
親子が同じ熱量でいっしょに取り組まなくては前には進めません。
そして
親子で同じ目標(日本語習得)に向かって試行錯誤することは
かけがえのない経験になり、決して無駄にはなりません。
親子で協力しながら、長く日本語学習を続けていってくださいね!
みらい塾では一緒に日本語環境を整えます!
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