日本語に自信が持てる!音読のすすめ


こんにちは、みらい塾の馬場です。nigaoemaker1118_thumb

さて、音読は宿題の定番で、手軽にできる学習のひとつですが、皆さんのお子さんはついつい適当に流し読みをしてしまってはいませんか。

海外では日本語環境に触れる機会が非常に限られているため、
音読学習は日本語習得において、より一層の重要性を持ちます。
 
日本語のリズムやイントネーションなどの音の流れを体感し、
自然な発話能力を身につけるための効果的な手段として
海外での日本語学習に音読は欠かせません。
 
 
音読学習には、さまざまなメリットがありますが、
その中でも特に日本語学習者に嬉しい5つの利点についてお話ししましょう。

(1)発音やイントネーションの習得

音読を繰り返すことで、
正しい発音イントネーションを身につけることができます。
 
 
例えば、「はし」という言葉には複数の意味があります。
日本語ネイティブであれば、どの言葉を指しているかを無意識に理解できます。
 
橋(は⤴し)
箸(は⤵し)
端(は→し)

 
 
さらに、
 
「ち、つ、ふ」の発音
な行・ら行の混同
後続する音によって発音が変わる「ん」
 など
 
上記を正しく発音することは
海外で日本語を学習している子にとっては、非常に難しいとされています。
 
 
ちなみに、日本語と英語には音に関して差異があるので
英語の方が強い(得意な)お子さんは発音やイントネーションに注意しましょう。 
 
英語
・ストレスアクセント(強弱アクセント)
・フレーズごとに強弱をつける
・ほとんどの単語が子音で終わる

日本語
・ピッチアクセント(高低のアクセント)
・文全体の高低を意識する
・すべての単語が母音で終わる  
  
 
音読で正しい発音やイントネーションを身につけ、
他者の日本語を理解し、自分の日本語を理解してもらえるようになりましょう。

(2)語彙と文法の定着

音読を通じて、新しい単語や表現に触れることができます。
 
新しい単語や表現を実際に声に出すと、
単に単語を視覚的に認識するだけでなく、
聴覚的にも経験することで、より記憶に残りやすくなります。
 
反復的な練習により、新しい語彙を長期記憶に定着させ、
文中での使い方や文脈における細かなニュアンスの違いを理解しましょう。

(3)表現力の向上

音読や暗唱をすることで、日本語の表現力を向上させることができます。
 
さまざまな表現の文章を声に出して読むことで、
自然な日本語を無意識に会話内で使えるようになります。
 
文の構造や文法規則を単なる理論としてではなく、
定型文や決まり文句など、フレーズを塊で覚えることで、
感覚的に自然な日本語のリズムを捉えられ、より深い理解へと導きます。

(4)聴解力の向上

日本語でシャドーイング(音声を聞いた後、即座に復唱)することで、
日本語の聴解力を向上させることができます。
 
耳から聞いた音を即座に復唱すると、
聞き取れなかった部分が具体的に分かります。
 
聞き取れない言葉の意味は、もちろん理解していませんので、
言葉の意味をきちんと調べてから、再挑戦しましょう。

 
また、何度も反復することで、耳が日本語の音やリズムに慣れ、
他者の日本語を容易に理解しやすくなり、
日常会話やメディアの内容を聞き取る際にも役立ちます。
 
 
前述の(1)にも通ずるものがありますが、
 
日本語の母音は英語よりも格段に数が少なく、
純粋な5つの母音「あ、い、う、え、お」で構成されています。
 
一方で、日本語の子音には、他の言語にはない特徴的な発音がいくつかあります。
 
例えば、
 
「ら行」の発音
・舌の位置が特殊である。
・英語の「l」や「r」の音とは異なる。
・舌の動きが類似する「な・だ」行と聞き間違えやすい。
 
促音(「かぱ」の「っ」)
・短く停止する。
・他の言語にはない独特の発音である。
 
長音(「おとさん」の「う」、「おかみ」の2つめの「お」)
・長く伸ばす発音である。
・日本語学習者には「おばさん⇔おばあさん」などの区別が難しい。
 
 
音読をくり返すことで、
母語の発音にない特殊な発音も徐々に聞き分けられるようになります。

(5)自信の向上

音読・暗唱を成功させることで、日本語学習に対する自信を高めることができます。
 
すらすらと日本語が発声できるようになると、
家族以外の前で日本語で話すことにも自信がつき、
より積極的に日本語学習に取り組もうとするようになります。

では、次のポイントを意識して、家庭でも音読学習に取り組んでみましょう!

①好きな文章を読む 

子どもが興味のある文章を選ぶことが大切です。
好きな内容であれば読むのが楽しくなり、反復練習も苦になりません。
 
初級者へのおすすめ
・1~5行程度の簡単な文章
・詩や童謡
リズムや抑揚、くり返しがあるものが良いですよ!
 
中級者へのおすすめ
・童話や物語
・身近な語彙や表現がふんだんに使われているマンガの台詞
登場するキャラクターになりきって読みましょう!
 
上級者へのおすすめ
・小説
・ニュース記事からの時事ネタ
日常会話では得られない専門的な語彙や表現を学びましょう!

②文章の意味を理解して読む 

意味を理解しないまま、音読をしても効果が半減してしまいます。
きちんと文章の内容や語彙の意味を理解してから音読をするようにしましょう。
 
1ページに5つ以上の知らない言葉があるときは
現状の日本語レベルに合っていない場合があります。
 
「少し簡単かな?」と思うくらいのレベルから始めましょう。

③ていねいに正しく読む 

最初はゆっくり丁寧に正しく読みます。
慣れてきたら、徐々にスピードを上げていきましょう。
 
日本語の滑舌をよくするには、
早口言葉やテンポの良い文章を速いスピードで読むのが最適です。
 
モチベーションアップにはタイムを計るのがおススメです。

➃はっきりと声を出して読む 

心の中で読む黙読では音読のメリットが十分に得られません。
 
特に、自然で正しい発音やリズムを身につけるためには、
耳に聞こえるようなはっきりとした声で読むことが重要です。
 
口周りの筋肉や舌の動きを意識しながら、口全体を大きく動かしましょう。

➄くり返し読む 

1回読んだだけでは文章を覚えられません。
読んだ文が無意識に口から出てくるようになるまで、何度もくり返し読みましょう。
 
毎日決まった時間に音読を行うことで習慣化し、効果が最大化されます。
音読を習慣にするためのおススメの時間帯は朝のゴールデンタイムです。
まずは毎日10~15分程度、1か月を目標に継続してみましょう。

⑥読みながら録音する 

親の前で読んでもらい、すぐ評価するのが一番ですが、
忙しい親御さんの場合は、子どもに音読している声を録音してもらいましょう。
 
子どもの音読を聞き、あとで大いに褒めてあげましょう。
 
また、子ども自身に自分の声を聞かせることで客観的になれ、
発音やイントネーションの誤りに気付くようにもなりますよ。
 
また、何度も聞き返すことで、自分が日本語を使っているときの声に慣れ、

海外での日本語学習に、効果的かつ実践的な音読をぜひ取り入れてみてくださいね。
お子さんが日本語で積極的に発言する勇気と自信が生まれますよ!

みらい塾で音読練習を習慣化しましょう!


Web-icon_thumb2_thumb_thumb_thumb_th http://www.miray109.com

 

.

こちらの記事も合わせてどうぞ!