さて、皆さんは、年々子ども達の学習が映像に偏ってきていることにお気付きでしょうか。
これまでも数十年前からすでに子育てにおいて
テレビ(映像)の見過ぎについての注意喚起がされていました。
しかし、昨今の映像技術や通信技術の劇的な発展により、
スマホやSNS、コンピュータでの動画視聴時間は著しく増加しています。
小さな子どもから大学生、大人に至るまで、多くの人たちが動画の虜です。
映像メディアの利用が子ども達の日常生活に深く根付いてきている今の時代、
親としては、教育への影響も無視できませんよね。
特に、海外在住でバイリンガル教育をされているご家庭では、
日本語教育の手段として映像コンテンツがしばしば利用されます。
多くの学校や塾などの教育機関でも、
映像を見て理解させる指導や教材がどんどん増えてきています。
映像教材は視覚的な情報が豊富で、子どもたちの注意を引きやすいという利点があります。
しかしながら…
漢字や英単語などが覚えられない
人の話を聞いて理解できない
文字を読んでも内容が分からない
映像記憶(見て覚える)に偏った学習をしている子は、
記憶力や学習能力が極端に低くなります。
それに加え、
短い言葉で話すのが楽
相手に対する言い方に配慮ができない
相手の反応を気にしすぎて話せない
コミュニケーション能力も低くなる傾向にあるので留意しなくてはいけません。
つまり、言語習得や学習理解の目的として映像教材を取り入れるというよりは、
日本の文化や習慣・マナーを理解したり、
言語だけでは伝わりにくい微妙なニュアンスを把握したりするために使うのがおススメです。
自然な形の日本語を吸収するには、映像は最適な教材ですからね。
また、映像の特性から静的(受動的)な学習を促しやすく
自発的な学習意欲や探究心を削ぐ可能性があることも軽視できません。
特に、言語学習においては動的(能動的)な理解が求められます。
例えば、単語やフレーズなどの知識を得ることには有効ですが、
それらを実際の会話の流れの中で使う能力は、映像記憶だけでは養われません。
そして、映像学習に頼りすぎると、
読解力や批判的思考力の育成がおろそかになる恐れがあります。
今後、デジタル社会がどれだけ発展していこうとも、
文字による情報処理能力は、生きていく上で不可欠なスキルには変わりありません。
映像教材を補助的なツールとして利用しつつ、
読書や読み書き練習の反復、家庭内外での対話などの活動を通じて、
バランスの取れた多角的なアプローチができる日本語学習環境を作ることが大切です。
聞いて学ぶ
話して深める
読んで理解する
書いて伝える
見て習う
くり返して習得する
生活のすべてを学びの場として成長していけるように、
子ども達にとって最善の学習環境をこれからも模索してあげてくださいね!
みらい塾でいっしょに成長していきましょう!
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