デジタル社会なのにまだ手書きは必要なの?


こんにちは。みらい塾の馬場です。nigaoemaker1118_thumb

昨今のデジタル社会では、手書きを軽視することも見受けられるようになりました。
皆さんは、書くことをどの程度重要視していますか。

コンピュータやタブレットなどは
すでに私たちの生活に欠かせないデバイスとなっています。

しかし、
手書き学習には記憶力理解力を高める効果があるとも考えられています。


例えば、

デジタルツールでは再現できない個性や感情を伝えることができたり、
自由に絵や図を描くことで、思考の流れや発想の幅を広げることができたりします。

さらに、

手書きでノートを取る学生は、タイピングでノートを取る学生よりも
テストの成績が高いという結果が出ています。


また、

機械と違い、手は故障や電池切れなどのリスクもないので、
どこでもさっとメモを取ることができますね。


つまり、

デジタル社会であっても、
書くことはコミュニケーションや情報伝達の主要な手段であり、
特に、小学生や中学生の学習においては
まだまだ軽視できないということです。



手書き学習として、国語の授業でよく用いられているのは視写です。

視写は、習字の「書写」と字面が似ていますが、
書写は整った字で書くことを目的としているので、
2字~数文字の短い書き写しのことです。

一方、視写は文章をそのまま書き写すことです。
視写は単純作業なので、
日常のすきま時間をうまく活用しながらムリなく取り入れられます。

視写のメリット

(1)読解力・表現力の向上

視写は、一定量の文章を書き写すので、
本文の内容を深く分析したり、
文章構成なども自然に習得できます。

小説やエッセイなどの文学作品を視写することで、
作者の思想や感情、表現技法なども学ぶことができます。


さらに、

視写した文章を声に出して読むことをセットで取り組みましょう。

書いた文章を読み直すことで、
容易に誤字脱字などを自分で見つけられるようになります。
これは、テスト本番での単純ミスを軽減するのに一役買いますよ。


また、

読むときに、発音やイントネーション、話す速度などに気を配ることで、
自然とコミュニケーションスキルも磨くことができます。

(2)記憶力や想像力の発達

視写では、文章を目で見てから頭に入れ、
手で書くという一連の流れをくり返します。

一つの学習で、
視覚的・聴覚的・運動的なプロセスが同時に働き、
記憶力が効率的に強化されます。


また、

歴史や地理などの教科書の文章では事実や年号などの知識を得られ、
詩や童話などの創作文では物語の展開や登場人物の感情などを想像することを学べます。


一字一字を細かく何度も見返さず、
単語やフレーズを一塊として覚えながら書き写すのが効果的です。

言葉の繋がりや先を想像しながら書き進めましょう。


(3)書くことへの抵抗を軽減

視写学習を習慣的に行うことで、
書くことへの抵抗感や煩わしさを軽減してくれます。

学習意欲の高い子は、
書くことに対する抵抗感や嫌悪感をあまり持っていません。


そのため、
頭の中で考えている最中も、
手元で無造作になにかを書いている様子が見受けられます。

書く行為が脳を適度に刺激し活性することで、
考えがまとまったり、新しいアイデアが生まれたりします。



視写学習の注意点

(1)視写する文章を厳選する

視写をする対象を適切に選ぶことが大切です。

視写する文章が難しすぎると、ただ書き写しているだけになり、
簡単すぎたりすると、学習意欲が低下します。


また、

不適切な文章や偏った内容の文章を視写させると、
誤った知識や価値観を身につける可能性があるので注意が必要です。


家庭での視写に取り組みときには、
子どもが好きな本興味のある分野から良質の文章を選んであげましょう。


(2)視写する時間に注意する

視写は単純作業なので取り組みやすい学習ですが、
作業が長すぎると単調になり、飽きたり疲れたりして集中力が低下します。


目安として、

小学生低学年で、1回5分程度
中学年以降でも、1回10分程度です。


なお、視写する時間が短すぎると、習慣化しづらく定着しないので注意しましょう。

(3)視写する速さを重要視する

視写学習で大切なことは、まずは正確さです。
間違って文章を書き写しても、正しい知識を得たり、きちんと内容を理解したりはできません。

正確さを高めるためには、
視写する前に文章や単語を覚えるほどによく読むことが大切です。



正確さが定着したら、一定の速さで書き写せるようになることを意識させましょう。

素早く正確に写せている子は、文節などのまとまりで単語を見て書いているので、
文章全体を理解しながら写しています。

一方、写すのが遅い子は、
書いてある文章の意味を考えずに、ただ文字を上から下へ書き写しているだけです。

これでは視写学習の意味がありません。



スピードを意識させることで、
鉛筆の持ち方や書く姿勢、筆圧などに気を配るようになります。

一定の速さで視写するには、
単語をまとまりで覚えなくてはならないので、自然と文章の理解も深まります。




まずは、
ストップウォッチなどで1分間に視写できる文字数を確認してください。
原稿用紙やマス目ノートを使うと計測しやすいですよ。



スピードの目安としては、

小学校低学年で1分間に25文字程度で、5分で125文字です。
高学年にもなると1分間に35文字程度で、原稿用紙1枚ほど書けます。


なお、速く書きすぎる子には、ていねいに書くように促しましょう。







視写は取り組みやすい反面、効果が出るまでに少し時間がかかります。

しかし、国語力を高めるためには非常に有効な学習法なので、
ぜひ家庭学習として習慣的に取り組んでみてくださいね!

 みらい塾は読み書き指導を重視します!


 

.

こちらの記事も合わせてどうぞ!