皆さんは寝る前に枕元でスマートフォンやタブレット端末、ラップトップPCなどを使って、メールをチェックしたり、映画を見たり、ゲームをしたりしますか?
ガジェットパラダイス / masterq
就寝前にバックライトや液晶画面を持つこれらの端末を使うと体に悪い影響を与える可能性があるというのは、皆さんも耳にしたことがあるかと思いますが、今回、特に10代の子ども達に与える影響が深刻であることが判明しました。
ニューヨークのRensselaer Polytechnic Institute(レンセラー工科大学)にあるLighting Research Center(LRC:ライティング・リサーチ・センター)の研究によると、就寝前にバックライトや液晶画面の端末を見続けていると、松果体(しょうかたい)と呼ばれる脳の小さな内分泌器から分泌されるホルモンである「Melatonin(メラトニン)」の分泌に影響を与えることが分かりました。
人間を始めとする地球上の生物は、生体リズムをメラトニンによりコントロールしています。通常、太陽の光を浴びている日中にはメラトニンの分泌は抑えられ、夜間に多く分泌されます。その結果、生物は夜に睡眠を取るという訳です。
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同センターが独自に行った実験の結果、就寝前に60分間タブレットやゲームなどの端末を見たときに、日光を60分間浴びたのと同量のメラトニンが分泌され、夜間にもかかわらず、日中時と同じようにメラトニンが抑制されたことが分かりました。また、さらに2時間見続けた場合には、抑制値が飛躍的に高まったそうです。
メラトニンによる生体リズムが崩れることにより、睡眠に大きく影響が出、10代の子どもでは、その影響がさらに深刻なものになると言います。
専門家らは子どもの電子機器使用に関して、改めて注意を呼びかけています。
カナダのUniversity of Alberta(アルバータ大学)の研究チームが行った9~11歳の子ども3400人を対象にした「睡眠時間や就寝前の電子機器などの使用に関して」の調査では、自分の部屋にテレビ・DVDプレーヤー・ゲームなどがあると回答した子どもは半数にも及びました。
また、これらの電子機器を就寝時間を過ぎても使っているとの回答が60パーセント近くあり、その多くは、睡眠時間を削ってテレビや映画を見ているとのことでした。
しかも、子ども部屋の電子機器の有無と肥満の関係を調べると、部屋に一つでも電子機器が置いてある子どもは、まったく置いていない子どもに比べ、太り過ぎである割合が1.47倍であり、電子機器を3つ持っている子どもの場合では、その割合が2.57倍だという結果が出ました。
私たちの周りには便利な電子機器が至るところにあり、それらの機器を生活の一部として当たり前に使っている現代では、幼い子どもでさえ、生活に欠かせないものだと感じているのかも知れません。
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しかし、便利さと引き換えに睡眠時間を削るというのはどうでしょうか?子ども達の適切な睡眠は、日中の健康的な活動や規則正しい食生活、また学力にも繋がっています。
睡眠に関して幼い頃からしっかりと教育していくことは、私たち大人の務めです。そのことを再認識しながら、大人が子ども達の良い手本になる行動を取っていきたいものですね!
【参照記事】
Mail Online(英文)
ちなみに、以前に電子書籍リーダーをご紹介したことがありましたが、こうしたバックライトを使用していない電子書籍リーダーでは、メラトニンの分泌が抑えられるような傾向は見られなかったそうです。今はバックライト付きの電子書籍リーダーも販売されているので、お間違えのないように!
寝つけなかったときは、タブレット端末でネットサーフィンするのではなく、バックライトなしの電子書籍リーダーで本を読むのが得策のようですね。(^_-)-☆
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