皆さんは、漢字を正しく覚えていますか?
kanji dictionaries / torisan3500
成人した私たち大人でも、すべての漢字を正しい書き順で書ける人は、あまりいないのではないのでしょうか。
書き順の問題として、小学校でテストなどによく出題されるのは、「右」「女」「必」「飛」などですが、意外に難しいのは、小学5年生で習う「比」という漢字です。
まず始めに、「比」という漢字は何画で書くことができるのか、ご存知ですか?
コンピュータでよく使われるフォント(ゴシック/明朝)で「比」の文字をタイプしてみると、下の左側のように5画で表示されます。しかし、本来は4画の漢字なんですよ。右側の教科書体と呼ばれるフォントでタイプしてみると、4画で書かれていることがよく分かりますよね。ですので、家庭学習のときに子ども達のお手本にする文字は、かならず教科書体を使うようにしましょう。
では、「比」という漢字をどのように書きますか?
(1)5画で書く
(2)4画で、カタカナの「ヒ」を2つ並べるように同じ書き順で書く
(3)4画で、左右の「ヒ」の書き順を変えて書く
――― などの回答が主かと思います。
結論から言うと、正解は(3)です。前述ですでに4画であることが明確ですので(1)が不正解なのは一目瞭然ですよね。ですので、(2)と(3)で迷われた方も多いでしょう。実は、迷ってしまうのも当然で、カタカナの「ヒ」の書き順がひとつに定まっていないからなんです。
いまの小学校やペン字・硬筆では、カタカナの「ヒ」の1画目は、左から右に横棒を引くように指導されることが多いです。と言うのも、線は文字の原則に従って「上 ⇒ 下」「左 ⇒ 右」に書くからです。手元の辞書を調べてみても、「ヒ」の横棒は左から右に書くと記されています。
ですので、一般的には、「比」は以下のように、カタカナの「ヒ」と同じ書き順で左側を、違う書き順で右側を書きます。
①左から右に横棒
②上から下に縦、右上に向けてはらう
③右から左下にはらう
④上からを下に角をつくらないで右横に、最後は上にはねる
しかし、書道の心得がある方なら「おや?」と思われたでしょう。実は、毛筆のときはスムーズに筆を運ぶために、1画目を3画目同様右から左にはらうように書きます。
カタカナの文字は、現在の常用漢字のように国がキッチリ定めたわけではなく、生活の中で自然に発生し、長い年月をかけて確立されてきたものです。そのため、歴史的な資料をたどってみても、カタカナの「ヒ」の書き順で「これが正しい!」と断言できるものは見つけられませんでした。
こんな風に日本語の文字の成り立ちなどを考えていると、面倒な書き順を覚える作業も面白くなりますよね。子ども達にもこうした日本語にまつわる話を機会あるごとに聞かせてあげると、漢字学習も楽しいと感じてくれるかも知れませんね♪
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